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主役をひきたたせる舞台づくり

PRというのは環境づくりのようなもの。舞台づくりと言っても良いと思います。
主役である商品がもっとも魅力的にみえるように、最高の舞台を用意する。
新商品が出るときには、どんな場面で登場させて、どういうふうに注目を浴びさせれば一番素敵に見えるかを考えます。
これに対し広告は、主役のメイクアップをしたり、ファッションを整えたり演技指導をしたりという役目ということになります。

そして主役を引き立てるのは、舞台だけではありません。脇役や敵役の存在もストーリーを構成するには欠かせない存在。
敵役はできればうんと強くて悪いヤツが良いです。シンデレラだって、意地悪な継母やお姉さんがいればこそ、シンデレラの可憐さ、慎ましさ、優しさ等が引き立って、シンデレラを応援したいという気持ちが湧いてきますよね。
敵役にパワーがあればあるほど主役の魅力も増しますから、場合によっては敵役をスター化してもいいのです。企業の手前味噌な話から始まっても、あまり真剣に話を聞いてくれない場合は、まず敵の話から始めてみましょう!という手法。悪役が暴れ回って困り果てているところへヒーローを登場させるのです。
敵役は何も商品だけでなく、社会背景ですとか習慣や慣習で考えるとわかりやすいです。

一例として「晩婚化」と「日本の住宅事情」という問題(敵役)に着目してみましょう。
働く女性が増え、1人暮らしの若者も増えています。当然、マンションやアパートなどの集合住宅に住んでいます。昼間働いていれば、どうしても掃除や洗濯を夜にすることになってしまいます。
 「残業とかあると、掃除や洗濯が夜遅くになってしまう」
 「夜の掃除機は下に住んでいる人に迷惑だろうと思って気が引ける」
 「朝早く出かけるから、その時間に合わせて洗濯していたら、隣の人に怒られた」
このように問題のある状況を提示します。テレビの情報番組や、新聞のちょっとした特集などで取り上げてもらったり。アンケート調査をしても良いです。
そして、その記事を読んだり、テレビを見た人が「私も同じだ」と同意したり、素直に「なんとかできるといいのに」と思ったりします。
これでPRの第一段階である環境づくりや、最高の舞台背景ができたことになります。そこで問題解決に登場するのが「静かな家電」。これが主役です。

主役を登場させたら、次は主役のパーソナルな魅力を演出します。
主役の魅力が色あせないように、新鮮さを失わないように、手を変え、品を変え、あらゆる手だてを駆使してニュースを作り出して行きます。
先にPRは露出がすべてというお話をしましたが、ただ露出すればいいというわけではなく、ベストなタイミングと状況を考慮することが大切なのです。

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